公正証書遺言ってなに?
遺言の方式には自筆証書遺言と公正証書遺言の二つが一般的だという事がわかりました。
自筆証書遺言は、作成も自分が思い立った時に始めることができ、手軽で費用のかからない遺言の方式であることは先のコラムでお伝えしました。(自筆証書遺言てどんなもの?https://ishiguro-aso.com/731/)
では公正証書遺言とはどのようなものなのでしょうか?
今回は公正証書遺言について書いてみましょう。
公正証書遺言は公証役場において、証人2人立会いのもと遺言者が公証人に遺言の趣旨を口述してその内容を公証人が筆記し、その後、公証人が遺言者及び証人にその内容を読み聞かせ、又は閲覧させ、筆記の正確なことを遺言者と証人が承認後、各自がこれに署名し、印を押し、最後に公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すことによりします。
・・上記は民法969条のほとんどそのままで、今一イメージしにくいかもしれませんが、ものすごくざっくり言うと、遺言に詳しい法律の専門家が、遺言書作成を法律に基づいてちゃんとやってくれるという素敵な遺言方式です。
公正証書遺言のメリットとしては、次の5つが挙げられます。
- 専門家に遺言内容を確認してもらえる
- 偽造・変造のおそれがない
- 自筆できなくても作成できる
- 署名できなくても作成できる
- 検認が不要
公正証書遺言のもっとも大きなメリットはやはり公証人という法律の専門家に遺言内容をチェックしてもらいながら作成できるというところではないでしょうか。
公証人と言われる方は、元裁判官や元検事をされていた方で法律の専門家です。ですから遺言様式の不備の恐れが極めて低く、また遺言内容についても相談、確認しながら作成してくれます。そして公証人自身が内容を書いてくれるため、遺言者が自書できなくても大丈夫です。署名に関しても遺言者自身が病気又は身体機能の障害を理由として署名することができない場合には、「公証人がその事由を付記して、署名に変えることができる」と民法に定められているため遺言者自身が署名できなくても遺言できます。
遺言書の原本は、公証役場で遺言者が120歳になるまで厳重に保管されるので、紛失、盗難、隠匿、改ざんの心配もありません。遺言者ご本人には作成後、遺言書の正本と謄本が交付されます。
そして検認手続きについては、自筆証書遺言は法務局による自筆証書保管制度を利用しない限り家庭裁判所による検認手続きが必要でしたが、公正証書遺言の場合には検認手続きや遺言書情報証明交付手続きなどの面倒な手続きが不要になり、遺されたご遺族の負担を減らすことができます。
デメリットとしては、費用がかかる、必要書類の収集や、公証人との事前の打ち合わせ、証人の手配など手間がかかる、遺言の内容が人に知られてしまうなどがあります。
遺言を残すことは民法の規定に沿って正しく正確な知識を持って書かないと遺言そのものが無効になってしまう恐れがあり、それでは遺言を残す最大の目的である遺言の内容、遺言者の意思を達成できなくなってしまいます。
遺言書の方式に公正証書遺言を選ぶことは、より確実に遺言を作成することができて安心につながりますね。

